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地域コミュニティレジリエンスコーチ 初級養成講座 2023

開催日:2023.10.26-2024.01.11
地域コミュニティレジリエンスコーチ 初級養成講座 2023

プレセッション

開講に先立ちプレセッションを2023年10月17日に開催

2023年10月26日からはじまる「地域コミュニティレジリエンスコーチ 初級養成講座 2023」ですが、事前にプレセッションを開催しました。

プレセッションの様子

地域コミュニティレジリエンスコーチ 初級養成講座 2023

プログラム紹介

本講座は、ご自身のうつわを育みながら、同時に周囲の人が困難に直面しながらも前に進もうとするときに、すっと手を差し伸べられる人でありたい―。そのようなマインドを持った人の力を引き出し、地域コミュニティのあらゆる現場で活躍していただくためのプログラムです。幼稚園~大学の教育に携わる方々、自治体職員の方々、福祉/病院/災害の現場に立たれておられる方々、地域ボランティアの方々などにおすすめです。学生、社会人で興味を持った方々もぜひご参加ください。

修了者には「初級コーチ資格」を付与します、2024年以降、中級編/上級編も提供予定です。

レジリエンスを育むことを通して、私も隣の人も(両方の)ウエルビーイングを高めることにも役立ちます。

本講座について

10年間、京都大学/大学院の持続可能な社会または災害とレジリエンス研究/教育で培われてきたこと、関係性、特に「つながりの質」をど真ん中において、個別の学問領域にとどまらないアプローチが土台になっています(事前に感触を得たい方は、清水美香編著『レジリエンス―よみがえる力―森・風景・地域・人の交差の中で』(日本評論社、2023)の、総序/第1章をご覧ください)。それを一般の文脈に落とし込んで、実践で使ってもらえるように工夫を重ねてきました。複雑で不確実な世の中で道標になるように、レジリエンス思考を杖に使って、地域コミュニティのレジリエンス(再生する力、変化する力、よみがえる力…)を育んでいただくために、日本初の本養成講座を開始します。

プログラム

本プログラムは全6回構成です。いずれもオンラインでの開催で、実施時間は19時から21時です。

  • 第1回:「私」と地域コミュニティの中でレジリエンスを育む(2023年10月26日)
  • 第2回:レジリエンスを育むファシリテーションとは(2023年11月09日)
  • 第3回:暮らしと地域コミュニティにおける「リスクと変化」(2023年11月30日)
  • 第4回:地域コミュニティで「コモンズ」を育てる(2023年12月14日)
  • 第5回:レジリエンスコーチングの在り方―事例をともに―(2023年12月28日)
  • 第6回:コーチング実践(2024年1月11日)

録画での受講

本プログラムは全て出席いただくのがベストですが、多様性を尊重し、日程などを理由にご都合が悪い方は以下の対応が可能です。

  1. プログラムの録画をみる
  2. ワークシート作業とエッセイを書く
  3. 講師からフィードバックをもらう

なお、第6回(最終実践)のみ、別途日程の調整が可能です。申込時にその旨をお申し出ください。

初級コーチ資格付与

第1回~第6回を踏まえてエッセーを提出してください。修了者には「初級コーチ資格」を付与します。

講師など

講師

岡本克彦
岡本克彦
  • 一般社団人地球社会レジリエンスセンター 理事/企業・地域担当
  • サステナビリティカタリスト
  • こすぎの大学企画運営

プログラム詳細

対象
  • 幼稚園~大学の教育に携わる方々
  • 自治体職員の方々
  • 福祉/病院/災害の現場に立たれておられる方々
  • 地域ボランティアの方々
  • その他、学生、社会人で興味を持った方々
開催方法 オンライン(Zoom)
開催日時 2023年10月26日(木)~2024年01月11日(木)、木曜日に開催、19:00~21:00
申込期限 2023年10月23日(月)
参加費用 6回で39,600円(税込)
  • 会員の方は割引があります
  • 分割払いも承ります。ご希望の方は事務局までご相談下さい

お願い事項

  • 当日はオンライン(Zoom)で開催します。イベント開催までにZoomを利用できる環境をご準備ください。
  • お申込み時にご登録いただくメールアドレス宛に、今後、一般社団法人地球社会レジリエンスセンターに関するご案内をすることをご了承ください。

実施報告

2023年10月から2024年1月まで実施していた「地域コミュニティレジリエンスコーチ 初級養成講座 2023」の全工程が終了し、第1期生13名が、日本初「地域コミュニティレジリエンス初級コーチ」資格認定を受けました。

認定証

受講者から引き出されたInsight(気づき)、レポート(一部抜粋)

柴田涼さん

(講座を終えて)清々しい気持ちになった。講座を乗り越えたという気持ちも含まれるが、学んだことを踏まえ、広い広い、夜空のように、大きなスケール、自然の大きなスケールで物事を捉えたいとも感じた。地震のような辛い出来事、自然と人間が関わる壮絶な出来事は、自然のスケールくらいに、時間的にも意識的にも広く持たないと、なんだかやられてしまいそうな気がした。石川県のことがあったので余計に。

TYさん(自治体職員)

緊急事態宣言が発令された2020年、私は人口約23万人のまちで市民協働のまちづくりを担当していました。市民と行政が3年をかけて議論を重ね、小学校区をエリアとする市内20の全まちづくり協議会が策定する「地域ごとのまちづくり計画」を市の総合計画の一遍とすることを位置づけた「協働のまちづくり推進条例」が施行された直後にコロナ禍が発生。これまで進めてきた、地域での声かけや見守り、ふれあいの場づくりなど、住民同士の顔の見える関係づくりの全てが停止し、地域課題の解決手段である仕組みや制度の脆弱さを思い知りました。

私たちのまちづくりの視点は、住民同士が話し合って定めた「まちの将来像」を実現するために、市民と行政が役割分担を決めて具体的取組みを進めるもので、計画の実現に主眼を置いています。そこには、レジリエンスやミドルマンの存在・育成も意識していませんでした。講座を受講する中で、まちづくりにとって大切な視点は、まちづくりに参画する一人ひとりがこのレジリエンスを理解し、意識して実践していくことで、予想外の出来事や災害から再生し、変化に対応していく力を高めることにつながることが見えてきました。

講座では、年齢や経歴が異なるメンバーとの話し合いを通じて、それぞれの見方や視点が違うことで、事象を多方面から捉え、俯瞰できることに気づき、同時に自分の考えを言語化することのもどかしさも実感しました。また、プロセスに関与することで結果に寛容になれることや、コーチングとティーチングの違いなど、何となくわかった気になっているあいまいさを、確認しながら整理していくことができたことも大きな学びでした。私は現在も協働の取組推進担当として地域に関わっていることから、引き続き、レジリエンスコーチをめざして、学びと実践を深め、地域の中に広めていくことで、災害に強いレジリエントな地域づくりにつなげたいと考えています。また、その過程を失敗も含めて記録し、言語化しながら、自分自身のうつわを育てていきたいと思います。

YSさん(社会人、地域コミュニケーター)

「危機感や孤独、不安感と向き合う力がレジリエンスだと信じているから学びたい」と感じていました。レジリエンスは他に替えがきかない、ものごとの土台になるものだと何度も実感しています。人だけでなく大きく社会や自然の多様さの間を海のように包む液体のような、間を流れていくもののように感じています。一つ一つ離れて島のように考えられていたものがレジリエンスという言葉を通して繋がっていくことができるような感覚でした。その一つに防災という小島があって自分の中では中々そこにレジリエンスを流し始めることに抵抗があったし流し方がわからないという感覚が強くありました。それぞれが具体的な問題のようで、掴まずにいるような。根底に日常と変わらない悩みがあって隠していたものが露わになるのが災害でもあると感じています。特に清水先生が東日本大震災について触れ、そこから学ばないことで繰り返されることは人災であることをお話された時に問題を作り出していること自体も人であることを感じました。防災や災害という言葉を中心に置いても本当の意味でわかり合おうとは思えないんじゃないか?ということを感じています。「防災」という言葉にたどり着くまでの背景がそれぞれに違う中で、自分の守りたいもの、譲れないものを理解し合わずに共通の言葉を持って助け合うことはできないと感じた。防災を目的にするのでなく、でも目を背けず切り離さず、繋がっていると信じて小さな積み重ねをしていくためにレジリエンスという言葉を軸に置いた場が必要だと感じました。

切り取ると東日本大震災と今回の能登の地震との間にも暮らしが続いていて時間や心もグラデーションのようにあったと感じます。非常時に向かって暮らしがあるわけではないけど、レジリエンスを根底に持った言葉と文化が育まれれば自分を取り巻く世界(玉ねぎモデルの層)に変化を生むと思います。それがつながりの質を高めて、災害時であっても相手の背景を想像し、木も見て森も見る視点をもちながら、自分自身も置き去りにせず周囲と生き生きとした関係であり続けられるように。

YTさん(社会人、地域コミュニケーター)その1

レジリエンスコーチの実践がとてもためになったと感じています。普段は自分ごととして活動する側でレジリエンスについて考えることが多かったのですが、第三者の視点から相手の相談内容を捉えつつも、それを自分ごとにしながらコーチしてゆくところが難しく、まさに鳥の目と虫の目、木を見て森も見るというレジリエンスのエクササイズだと思いました。

これからの時代に「レジリエンス」という概念が大事になってくるのは明らかです。言葉だけが一人歩きしないように、この概念をどのような文脈でどのように使っていくのか、それを話し手や聞き手が同じイメージを持てているのか、きちんと伝え合い共に描いて実現していく。このプロセスを大事にしていかなければならないと感じました。また、こうしたプロセスがレジリエンスコーチとして、相手との関わりの中で築いていくものではないかと思っています。

YTさん(社会人、地域コミュニケーター)その2

レジリエンスの語源「resilire」のこと、またそもそもレジリエンス思考は生態学の眼差しから生まれているということ。知れば知るほど、レジリエンスは生物が自然に獲得し、備えてきた機能、仕組みを包摂するものであり、だからこそ「私」はもちろん、「私の隣の人」だって生まれながらに備えているものに違いないと信じることができる。それは例えば周囲への変化に対する柔軟性や多様性を備えている遺伝子や、複雑な仕組みで体全体の様々な細胞が協働して機能する免疫系のように。もっとミクロな世界で言えば、それらの仕組みや構造を支える化合物の一つ一つの要素=原子と原子を繋ぐ「電子的な力」は絶えず動き、揺らいでいるごく小さな粒(=電子)たちの作る波の重なり合いだという。(清水先生の講座でも度々話題になる「しなやかなつながり」ってなんだろうと思う時、なぜかこのイメージが私の中に湧き上がる。

それぞれの仕組みを縦の糸とすれば、レジリエンスの考え方は横の糸というようなイメージとして自分の中に入ってきた。例えるなら織物のように、それまでは独立していた機能や仕組みそれぞれが、レジリエンスの横の糸によって編まれることで、それまで想像もしなかったような鮮やかな色彩や模様が現れてくるような感覚がある。講座で「私の内と外」のワークをした時、自分の感情、思考、行動というのは思った以上に周囲、社会の影響を受けていることを実感した。その中で、「どんな思考や行動を選択できるのか」かがレジリエンスを可能にする鍵だが、そもそも選択をする前に「大切な何か」に気づける状態になるためには周囲とどれだけ自分自身がつながり合っているのかを実感できるのかが大切ではないか。

KSさん(大学生)

この講座を通して、視点や思考に起きた変化は、3つある。1つ目として、レジリエンスというものは、人と人をつなげるためのものだけでなく、自分自身に対しても使えるという視点を持つことができた。玉ねぎモデルの核となる自分自身に焦点を当てて考えてみることで、今の自分のレジリエンス値(どれくらい自分がレジリエンスを活用できるかの値と考えました)はどうなのかということについて考える、「自分と向き合う時間」を提供してくれるものであると感じた。これからの生活をレジリエンスという指標で見た時、自分自身はどうありたいのか、そのためには、どうするべきなのかということを考える1つの手段にもなり、私自身に対してでも様々な活用方法があるということを学んだ。

2つ目として、物事を考える際、レジリエンスの視点で考えるようになったと考える。大学生活やボランティア活動をする中で、何か大きな決断をしなければならない時、「既存の枠を超える」ことによる新たな発見があるかも!と思えるようになったり、何か企画・運営をする際には、参加者が楽しむだけでなく、参加者も含めた全員が一緒に楽しめるように工夫して企画するようになったりと、「スキマ」をつなげるという意識を持つようになった。

3つ目として、静岡2.0(注:地域コミュニティ)の活動で自分自身の目標を考え(思考し)、活動に臨むようになったと思う。本講座を受ける前までは、「レジリエンス」という言葉と言葉の大体の意味しか知らなかったが、本講座を通して、レジリエンスについての本質的な部分を以前より理解でき、レジリエンスに対する思い入れがつよくなり、強くなったからこそ何か明確な目標を持って学ぶべきだと考え、小さな目標でもしっかりと立ててから、静岡2.0の活動に参加している。以上3つがこの講座を通して変化した視点や思考である。

MOさん(地域コミュニケーター)

講座の初回、玉葱モデル(注:レジリエンスの本質を学ぶ上で核となるモデル図)を学び対話をする中で、出発点は個人であり、玉葱モデルの真ん中は「誰か」ではなく自分自身であり、日々の自分自身との対話、他者との境界を広げていくような対話がレジリエンスを育てることであると思うようになりました。また、人間としての自分の感覚を見過ごさないことや、気づきを相手にとって適切な形で届けることは筋肉のような力だから、日々続けていきたいと思っています。

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