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地域コミュニティレジリエンスコーチ 養成講座 2024

開催日:2024.10.07-2025.03.03
地域コミュニティレジリエンスコーチ 養成講座 2024
画:ゆめか

2023年に開始した「地域コミュニティレジリエンスコーチ 初級養成講座」に加えて(受講者の学びや声は、講座紹介ページをご覧ください)、2024年は新たに「中級養成講座」を開講します!(2025年には上級編も開講予定)

講座について

これまで10年にわたり京都大学での教育研究で培われてきたことからエッセンスを抽出し、人の変容に役立てるように、地域コミュニティに活用してもらえるように、地域再生に取り組む人々のエンパワメントのために、やさしく工夫して生まれた講座です。レジリエンス思考を軸に据えた日本初となる「地域レジリエンスコーチ養成」講座をオンラインで受講する、第二期生を募集します。

オンラインですが、一人一人の背景や文脈を最も大切にし、受講者みなさんが心をこめて対話する、一人一人のウェルビーイングを育む講座でもあります。

初級

「私」と周囲の人との関係から育むレジリエンスに焦点を当てます。ご自身のうつわを育みながら、同時に周囲の人が困難に直面しながらも前に進もうとするときに、すっと手を差し伸べられる人でありたい―。そのようなマインドを持った人の力を引き出し、地域コミュニティのあらゆる現場で活躍していただくためのプログラムを提供します。

中級

初級で「私とレジリエンス」の本質を体得した人が、次に地域コミュニティでレジリエンスを育むコーチ役になることに主眼を実践的なプログラム。「日頃難しく見られがちな研究で見てきたことを、①できる限りあらゆる人に伝わるように+②それぞれの現場にもちかえってもらう+③地域コミュニティに携わる人々のエンパワメントになるようなプログラムになっています」(by センター長)。

開講期間

2024年10月~2025年3月

対象

上記のテーマに関心のある全てを対象にしますが、たとえば…

  • 幼稚園~大学の教育に携わる方々
  • 自治体職員の方々
  • 地域コミュニティで活動されている方々
  • 福祉・病院・災害の現場に立たれておられる方々
  • 地域との協働を深めたい社会人、企業の方

などにおすすめです。学生で興味を持たれた方々もぜひご参加ください。

プログラム

ZOOMで、19時~21時、基本的に初級/中級それぞれ月1回(月曜日)のペースで開講します。既に地域で活動経験がある方は、初級・中級同時に学んでいただくこと可能です。

初級

第1回 「私」と地域コミュニティの中でレジリエンスを育む 2024年10月7日
第2回 レジリエンスを育むファシリテーションとは 2024年11月11日
第3回 暮らしと地域コミュニティにおける「リスクと変化」 2024年12月2日
第4回 地域コミュニティで「コモンズ」を育てる 2025年1月6日
第5回 レジリエンスコーチングの在り方ー事例をともにー 2025年2月3日
第6回 コーチング実践 2025年3月3日

中級

第1回 自然-私ー地域社会のつながりをシステミック(木を見て森も見る)視点で捉える 2024年10月21日
第2回 自然-私ー地域社会のつながりを活かした地域環境創り 2024年11月18日
第3回 レジリエンス思考を地域活動に活かす 2024年12月16日
第4回 レジリエンス思考&アプローチを地域の問題解決方法に活かす 2025年1月20日
第5回 地域における「やっかいな問題」へのアプローチ 2025年2月17日
第6回 地域におけるシナジー(相乗作用による相乗効果)の興し方 2025年3月17日

注:なお、お仕事などの都合でどうしても日時が合わない方は、講師のガイダンスの下、オンデマンドで受講することも可能です。申込時にお知らせください。

費用

  • 初級養成講座:4万円(税込み)
  • 中級養成講座:5万円(税込み)

初級・中級同時受講の場合5,000円割引き。(地域コミュニティ対象のため特別に抑えた価格を設定しています)なお、学生の方で、お支払いに無理がある方は、代表メール(contact@gcrc.or.jp)までご相談ください。

講師

地球社会レジリエンスセンター長、理事ほか。ゲストあり。

お申込み・申し込み期限

2024年10月2日までに、お名前・所属等を記載の上、地球社会レジリエンスセンター講座事務局(office@gcrc.or.jp)「XX講座(初級、中級、または初級・中級両方かを明記)を申し込みます」として、メールをお送りください。お支払い方法、講座の詳細等、追ってご連絡します。

実施報告

2024年10月から2025年3月まで実施していた「地域コミュニティレジリエンスコーチ 中級養成講座 2024」の全工程が終了しました。

受講者から引き出されたInsight(気づき)、レポート(一部抜粋)

Y.S.さん

私は、AIが創作したもの(たとえば、絵)を見たときに、心がすり減っていくような、しぼんでいくような感覚になるときがあります。とても便利で頼らせてもらっている半面で、生み出すこと、作る楽しみさえもAIに譲って委ねることもできてしまう、次々にできることが増えていく早さの異常さ、そういうものに怖さを感じる時があります。

AIも人も過去にある様々なものを組み合わせて何かを生み出すというプロセスは一緒かもしれないけど、人とAIの違いの一つに、「傷を負うことができるかどうか」という点があるのではないでしょうか。傷から癒える、回復することは、人や生き物だからできること。

傷を負うことは点で見るとネガティブなことのように見えますが、レジリエンスの視点から見れば、傷を負った後、それはただ元に戻ることとも違って、よりしなやかになる、より深みを増す、より他者との違いに寛容になっていくという成長があります。これは情報や知識ではなくて、自分と自分の周囲との関係性の中で育まれて自分自身で経験しないと獲得できない力だと感じます。

そうやって、内側(内省)と外側(他者・自然との関わり)を行き来して行く中でまだ世の中にない、名前をつけることが難しい問い、そういったものを関係性が見えてくることで生み出すことができるのが人なのかな。自己治癒力や学びから生まれる豊かさ、これまでにない問いを生み出すことは、人だからできることであり、人に元々備わっているレジリエンスを育んでいくことがそれを可能にしていくのではないかと。特に長期的な視点を持つことができるから、すぐに解決できない問い(課題)の曖昧さ、不確かさ、奥行きの深さを受けいれることができる。そうしたことを中級講座を終えて、考え、感じて、次に進んでいこうとしています。

T.Y.さん

地域でも職場でも、人と人が目的を持って集まる場には、集合知とともに意見の食い違いや感情的な摩擦がおきることもあります。その時に感じているモヤモヤや違和感、焦燥感で、ぼんやり見えていた本質的な課題への解決の糸口を見失いそうになった経験が何度もありました。自分からは枝葉に見えるものが、重要なことを内包していないか、多角的な見方はできているか、感じてはいても上手く言語化できない状態を、レジリエンスの視点で見ることで整理して捉えることができるようになったと思います。また、相手の背景まで見つめて言葉を受け止めることができているかを自分に問うことで、見えなかったことに気づき、自分と相手、自分と社会とのつながりを連続的なものとして捉えることができるようになりました。一人ひとりの考えや行動が、社会や自然環境に対して相互に影響を与えていることを知り、人や自然との関係性を重視してより良い社会を創造していこうという意欲につながっています。

Y.T.さん

レジリエンス視点を学んでいくことで、誰かと交流をしようとするときに、相手の発言の背景に気持ちを向けたり、想像を巡らせるためには、自身の中に同じものを探しながら(過去)、相手の表情や状態(現在)に気を配ること(時間軸)、そして同じ立場だったらどのように感じるのかと言ったスケール視点など、視点をさまざまに切り替えること、全体を俯瞰しながら一つ一つを見ていくことを同時にすること(木を見て森も見る)で、そうした作業が「知っているつもり」に気づいたりすることにつながります。こうしたことは、中学校の道徳の時間で習っていると大抵思われるかもしれませんが、真に身につけるとはこうした作業をいかに愚直に繰り返すことができるのかもしれないと思います。もはや哲学的な領域かもしれませんが、「忍耐とはなにか」「謙虚さとは何か」「信頼とは何か」と言った本質に一歩近づいていくようにも感じます。

R.S.さん

安定とレジリエンスはどのように違うかを考えてみると、後者は、システムズが変化を吸収し、関係性を維持するところ。そのためレジリエンスアプローチは、選択肢を常にオープンにし続ける、局所的でなく広い視野で出来事を捉える、異質性を重視することになる。何かの選択肢が見えなくなってくるということは、それを見えなくする何かに覆われているからではないだろうか。ということは、「自己覚知」が大切であろう、団体や個人の持つ考え方、価値観が内に外に拓かれているかどうか。そこを自省していくことで、選択肢が見えてくるのではないかと思う。その繰り返しは、自己と向き合うということの一つであると思う。選択肢が見えてくるということは、視野が局所的なだけでなく、広い視野で見えてくるということだと思う。

T.T.さん

レジリエンス視点を学んでいくことを通して、自分だけでは解決できない問題に取り組む際に、自分の周りにある「自然」や「地域」との繋がりを 全体的、複眼的そして時間を連続的に捉えることができるようになると感じています。また、レジリエンスの視点は内省と外向する力を身に付ける ようになれると思います。「木を見て森を見ず」ではなく「木を見て森も見て」(清水美香)の言葉に表れているように、その言葉を体得し、実践につながっていくイメージです。