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レジリエントな私の未来に向けて
W.T.(自治体職員)

プログラム名:レジリエンス思考養成プログラム 入門編 2023
開催日:2023.09.07-2023.09.21


W.T.(自治体職員)

以前の職場で市民活動の活性化に関する支援を担当していたことから、つながりのあったセンター職員からご案内をいただき、今回の講座を受講するに至りました。現在、自分自身は市民活動の支援の業務からは離れており、プライベート生活の中でも何か人とつながる活動をしたいと思っていながらもできていなかったことから、果たして受講したところで活かせるのだろうか、場違いなのではないかと思いつつ、「木を見て森も見る」のワードに惹かれ、参加させていただきました。

職業人としても、地域の中で生活していても、はたまた政治の世界でも、世間には木を見て森を見ない、あるいは森の在り方ばかり語って木を見ない人があまりに多いと感じることは多々あります。もっとも、自分も日々の生活の中では例外ではないのですが。短期間に3回の講座を受講することも難しいのではと思っていましたが、毎回気づきが多く、あっという間の3週間でした。

最初に気になったキーワードは「システム『ズ』アプローチ」です。システムは単体では機能に限界があり、複数が相互に連携していくことでその機能は数倍の効果を生み出すということ。しかし、つながりを紡いでいくことの大切さは感じているものの、とりわけ、プライベートに関してはどこからアプローチしてよいのか、その一歩を踏み出しきれずにおります。それは公人としての自分と私人としての自分をうまく分けることができていない(もしかしたら分ける必要もないのかもしれませんが)ことにもよります。しかし、第1回の講座が進む中でまずは個人レベル、「私から」の発信、考え方でもよいのだと気づき、本講座への興味が一気に加速しました。

次に「ミドルマン」。理想は自分がこうありたい。しかしながら自分はミドルマンたり得るのか、自身がなれないのであればミドルマンを探し、支援する(それもミドルマンか?)になればよい、との気付き。「レジリエンス」について、より的確に自分の言葉で人に説明できるようになることができたら、その時自分はミドルマンたり得る資質を身につけたと言えるようになるのかもしれません。

そう思いつつ迎えた第2回の講座の印象は何といってもスピーカーの山本さんの魅力。これぞミドルマン。いろいろと地域に貢献しつつも、自分も、家族も、生活も、の概念。素晴らしいと思いました。地域貢献は自己犠牲の基に成り立つのでは持続可能とはならない、やはり自分を見て、自分が何をしたいのか、どう生きたいのかをきちんと問い直した上で自己実現を充実させるためには他者の力が必要だったり、自分のいるところ(居所、地域、組織)も充実させること、も必要であり、そのためには「境界」を点ではなく線でもなく、できれば面でもなく3Dで意識していくことができたらよいと感じました。ゆれても、ふれても、ずれても、ぶれても、それでよいのだ。それはレジリエントな状態に近づくために必要なのだという自己肯定感にもつながりました。第3回ではSDGs。以前、SDGsカードゲームというものに参加したことがありますが、そのゲームの中で17のゴールに関して、環境、経済、教育のすべての面で高ポイントを獲得することはとても難しいものでした。まさに、木を見て森も見ないとすべての要素について的確にアプローチすることはできないことを知らされました。その時に感じたことに加え、今回の講座を受講して、私たちは理想のゴールに到達しないことを国政や行政や世間や社会のせいにするだけではなく、自分でてきることから、果たしていければよいのではないか、と自分でできることから動くべきなのではないか、と感じました。SDGsに貢献できるようにはなりたい。だが、SDGsのために生きているのでもない、からです。

還暦近くなった自分は自治体職員として過ごす期間も残り少なくなりました。これまで永く過ごした組織から離れた後、どんなコミュニティで自分らしく過ごしていくのか、漠然とした不安がありましたが、講座を修了し、私が見つけた隙間 (現場や経験から引き出された ミッシングリンクmissing links)に レジリエンス思考を使って自分らしくしなやかに生きて行けたらと感じています。定年退職後、「私」個人が関わるレジリエントな地域・コミュニティの中で自己実現できる活動をしている姿で、皆さまと再会できましたら幸せです。ありがとうございました。